ピーチ様に戴いた相互リンク記念SSです!

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【色っぽい滴】

BJとして演技する中そのスタジオでは熱気がこもる。
だけど心は冷えたまま
どうして囚われたまま動けなくなってしまうのだろう
自分を苛んでも結局はそこから先へは進めないというのに

そんな時無防備に小悪魔的な微笑をしながら俺の方へ歩いてくる最上キョーコ演
じるセツカ
「兄さん・・・・今日もすごかった・・・・私興奮しちゃったよ」
そんな満面の笑みまで俺の闇に溺れさせたくなる。
一緒に溺れて欲しいとさえ思う
だけどそれはかなわぬ願い
いつでも綺麗なままの彼女を俺の深闇まで引きずり込んでそして俺だけのものと
したい
すごかったというセツカに本当は闇に飲まれそうだったと言えたらどれだけ楽か
解らないのに

そんな事も知らずに俺の前で無垢な笑顔を見せる。
「そう・・・・」
なぜか意識は深い闇に支配されていきそうで怖い
それほどのトラウマをこの役をやることでさらにナイフを突き立てる様にきつく
なってきている。
静かに着々と俺を取り込んでそしてあの闇に戻る気がしている。
「カイン?なんで苦しそうなの?そんなに苦しそうな顔しないで・・・・私がい
るじゃない・・・・」

一瞬にして素に戻っていた俺にセツカとして対応する彼女はすごいと思う
だけど俺自身はどこからがどこまでが俺自身か解らなくなりつつある。
確かにお守りをつけてもらったが、お守りの意味は俺が俺自身を見失わないため
のものではなかったのか?
本日の撮影も終わり帰宅するのみとなった。
そして二人で過ごすホテルである一言をセツカであるキョーコに告げる
「最上さん・・・もう良いんだお守り役はもう大丈夫スタンプ押してあげるから
これで終了にしてくれないか?」
一瞬何を言われたのか解っていない彼女はカッと目を吊り上げながら俺を見てい
た。
「敦賀さん・・・・ずっと変ですよ・・・・何がそんなに苦しいんですか?」
俺自身そんな事は解っている。
でも最上さんが近くにいると俺の闇に囚われて動けなくなってしまう事の方がこ
わい
だからこそ遠ざける必要があるんじゃないかって思うんだ
離れてくれ・・・・どうかこんな醜い俺を見ないでほしい

俯いている彼女は涙腺に涙を溜めながら俺を見上げていた。
その滴こそが俺にとっては色っぽくてくらっとくる
だけど欲しても欲しても結局傷つけるぐらいならどうか俺から離れてほしい
近くにいても俺が欲してしまう過去が許されるんじゃないか?
それとともに人を傷つけた俺は大切な人は作れないという決意が揺らいでしまい
そうだから
「私がいたらないでしょうか?敦賀さんの近くにいては迷惑ですか?
こんな愚かなことを聞いて本当は呆れたりするかもしれませんが今敦賀さんとは
離れたくないんです。
ずっと苦しそうなのを見てきました。演技じゃない事は解ってるんです。だから
こそ一緒にいてはだめですか?敦賀さんを支えたいんです。」

君は何を言っているか解ってる?
もし俺といたら君は俺は何をするのか解らないんだけど
君を思う存分犯して貪りつくしてそして堕とすかも知れないのに
闇に飲まれれば俺自身どういう行動をするのか解らないから離れたいのに
「どうなっても知らないよ・・・俺は君を貶めたくないんだよお願いだからこれ
で終わり・・・・」
そう言うとふわりと抱きしめられた。
「好きなんです・・・離れたくないんです。今離れてあなたがどうなってしまう
のかと思うと怖くて」
「君を貶めてしまうかもしれないんだよ・・・・それでも・・・・それでも俺の
そばにいるというの?」
「はい・・・・私などどうなっても良いんです・・・・私なんかより敦賀さんが
私にとって大事だから・・・・一緒に苦しみたいんです。」

君は本当に俺の欲しい言葉をくれるんだね・・・・・すごく嬉しい
多分俺自身の顔は緩んでいるんだろう
なんて君の傍は温かいんだ・・・・。
「ありがとう・・・・俺と分かち合ってくれるんだね。じゃあ一つお願いがある
んだ・・・・ずっと傍にいる誓いとして俺にキスをくれないか?」
「は・・・・い・・・・」
少し固まったような顔で耳朶と頬を真っ赤に染めながらその可愛らしい顔が近付
いてきた。
あまりのじれったさにぐいっと腕を引き小さな唇にかみつくようにキスを施す。
しばらくそのキスを繰り返しながら深くそして柔らかいその感触にそれ以上を羨
望してしまう
その行為に自分はいけない男なんだろうかと思って名残惜しげに唇をはずした。

「最上さん・・・・ずっと俺のそばにいてくれるよね・・・・!!」
「はい・・・敦賀さんが望んでくださるまで」
「それはどういう意味?俺が君を途中で捨てるとでも言いたいの?言っておくけ
ど一生俺から離すつもりはないからね!」
そう言うとかわいらしく壁際で委縮する姿にいたずら心がわいてきた。
多分こんな関係がずっと続くのだろう・・・そんな関係も悪くないかとさえ思い
ながらクスリと笑みを浮かべた


おしまい


 

 

 


 

ピーチ様ありがとうございました!


 

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